個人的評価: 星4.2(星5満点)
1999年に公開され、男の教科書と呼ばれるようになった「ファイトクラブ」。
2008年の英エンパイア誌が発表した「史上最高の映画キャラクター100人」でブラッド・ピット演じるタイラー・ダーデンが一位になっており、「男がそうなりたいと憧れ、女がベッドを共にしたいと願う理想の男」と評されています。
公開は1999年ながら、現代に生きる私たちにも「どう生きていくか」ということを様々な名言を通して痛烈に教えてくれる「自由に男らしくイケてる人生を送りたい方」には必見の映画です。
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ファイトクラブの映画情報
主要スタッフ
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
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脚本 | ジム・ウールス |
主要キャスト
タイラー・ダーデン | ブラッド・ピット |
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主人公/僕 | エドワード・ノートン |
マーラ・シンガー | ヘレナ・ボナム=カーター |
ファイトクラブのあらすじ
平凡な会社員である主人公は世の中のほとんどの人と同じくモノを消費するために働き、生きている。
一つ彼が変わった点といえば、不眠症であるということ。
不眠症で苦しんだ主人公は医者の元へ行くが、「世の中にはもっと苦しんでいる人がいる。睾丸ガン患者の会にでも行ってみろ。あそこが真の地獄だ」というアドバイスをされ、本当にその通りにする。
自分よりも不幸な人を目の当たりにする中で主人公は快感を感じ、不眠症を克服していくというクレイジーな展開で序盤は進んでいく。
タイラー・ダーデンとの出会い
ある日、仕事の出張で飛行機の中でワイルドな男タイラー・ダーデンという石けん売りに出会う。
ここから物語は急展開を始める。
主人公が出張から帰宅すると家が爆発し、消防車が出動している。
住む家を失った主人公はあてもなく、飛行機の中で出会ったタイラー・ダーデンに電話をかける。
ファイトクラブの設立
途方に暮れていた主人公を飲みに誘ってくれたタイラー。
バーから出ると突然「俺のことを殴ってくれ」と言い出す。当然主人公は躊躇するものの、本気で頼んでくるので仕方なくタイラーの耳をぶん殴る。
「痛ええ」と言ったタイラーはなぜか主人公を殴り返す。
こうして殴り合いに発展し、ボロボロになるまで殴りあった主人公は生の喜びを感じ、「またやろう」とタイラーを誘う。
定期的に殴り合いを行う中で、興味を持った人たちが集まり始め、「ファイトクラブ」が結成される。
タイラー・ダーデンの生き方と名言
映画「ファイトクラブ」はタイラー・ダーデンの生き方を通して映画全体のメッセージを伝えています。
一番のメッセージは「自己を破壊し、生きている実感を得ること」。
映画全体でメインに描写されている殴り合いはそれをメタ的に表現しているだけでしかなく、「痛みや死を感じることでやっと真に生きることができる」ということをわかりやすく伝えてくれるように思いました。
痛みを感じることで真に生きることができる
例えば、コンビニ店員のレイモンドを何の目的もなく、銃で脅したシーン。
獣医を目指していたレイモンドに対して「獣医を目指さなかったら殺す」と命じます。
その後、タイラーは「レイモンドはいい朝を迎える。翌朝には、食ったことがないほどうまい朝飯を食えるんだ」という名言を残しています。
かのドストエフスキーも死刑によって銃殺される直前で減刑を命じられ、命が助かったことによって、その後の人生で「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」など歴史に残る名作を連発しました。
「死」を強く意識したことによってそれまでの人生で見えなかったことが見えるようになったようです。
タイラー・ダーデンはドストエフスキーが体験したようなことをレイモンドに体験させることで人生を無駄にしないことを伝えたんだと思います。
「痛みを感じろ。苦しみと犠牲が尊いんだ。痛みから逃げるな。人生最高の瞬間を味わえ」
タイラー・ダーデン
物に支配されるな
主人公がタイラー・ダーデンと初めてバーで飲みに行ったシーン。
コツコツ買い集めたインテリアが一夜にして燃え、落ち込む主人公に言ったのがこの名言。
「お前は物に支配されている」
タイラー・ダーデン
「我々は消費者だ。ライフスタイルに仕える奴隷。殺人、犯罪、貧困も誰も気にしない。それよりアイドル雑誌にマルチチャンネルTV、デザイナー下着、毛生え薬、インポ薬、ダイエット食品、ガーデニング……。何がガーデニングだ! タイタニックと一海に沈めばいいんだ! ソファなんか忘れちまえ!」
近年流行っているミニマリスト。
そのミニマリスト的ライフスタイルの本質は「世の中が消費者に欲しくさせている物ではなく、自分が必要な物だけを手に入れ、より自分の人生に集中すること」です。
物は使うためにあるもので、物を手に入れるために自分の人生を費やしていたらそれは物に支配されていると言えるでしょう。
見た目ではなく、本質で物事の価値を見抜ける人間になりたいです。
個人的ファイトクラブの感想
現代人は物質的にも金銭的にも充実しているにも関わらず、「主人公」のように生きている感覚がなく、世の中に飲まれ、会社にしがみつき、他人の人生を生きています。
最終的に主人公はタイラー・ダーデンを撃ち殺しますが、これは「他人の人生を生きることに終止符を打った」という風に解釈しました。
現代人とは真逆の「人間の本質」として生きるタイラーに主人公やファイトクラブのメンバーは憧れましたが、次第にタイラーがカリスマ宗教家のようになるにつれ、結局、メンバー達凡人は隷属して生き、その他大勢として生かされる存在になってしまっています。
最後にタイラーを撃ち殺したことによって、ものすごく単純で明快なメッセージ「自分の人生を生きろ!」と強調したのではないでしょうか。
もし、いまこれを読んでいるなら、この警告は君に宛てたものだ。
ファイトクラブ
この役立たずな高画質の画面で全ての文字を読んでも、君の人生はさらに無駄になるだけだ。
他にすることはないのか?
いまの瞬間をより良く過ごす方法を考えられないほど、君の人生は空っぽなのか?
それとも、君が尊敬と信頼を抱く権威に感銘を受けちゃってるのか?
君は読めと言われたものをすべて読むのか?
考えろと言われたことをすべて考えるのか?
買えと言われたものをすべて買うのか?
部屋を出ろ。異性に会え。過度の買い物とマスターベーションを止めろ。仕事を辞めろ。戦いを始めろ。生きていることを証明しろ。
もし君が自分の存在を主張しないなら、君は統計データの1つになる。警告は以上だ。
ファイトクラブの名言
- 「職業が何だ。財産が何の評価に? 車も関係ない。人は財布の中身でもファッションでもない」
- 「ワークアウトは自慰行為だ。男は自己破壊を!」
- 「いつか必ず死ぬって事を恐れず心にたたき込め!すべてを失って真の自由を得る」
- 「宇宙に打ち上げられた最初のサルと同じさ。痛みや犠牲なしには、俺たちは何者でもない」
- 「そのとき、何かが起こった。解き放たれたのだ。それは素晴らしかった。我を忘れ、暗黒と沈黙と完璧の世界へ。自由を見つけた。すべての希望が失われた先にあるもの、それが自由だった」
- 「長い時が流れ、誰もが人生の残り時間はゼロになる」
映画ファイトクラブのまとめ
・物に支配されるな
・持ってるものを失わないように過ごすな
・痛みを感じることで本当に生きることができる
・全て失うことで本当の自由を得ることができる
・全部忘れて0から人生を思いっきり過ごせ
U-NEXTで観れるおすすめの映画をまとめたのでよかったら参考にしてください。
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