【金儲けのレシピ】要約 | ビジネスモデルの精度を上げる商売の基本15選

金儲けのレシピ - 要約
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Twitterにて仕事や事業作りについて有益で面白い発信をしている事業化botさんの著作「金儲けのレシピ」。

個人的にも長い間フォローさせていただいていたので、本を出版すると聞いてすぐに購入しました。

タイトルが「金儲けのレシピ」なだけあって、事業を構築する際の軸となるアイデアがわかりやすく15個にまとめられており、それぞれ簡潔に要点と具体例がまとまっているのですごく読みやすかった印象です。

ビジネスモデルの精度を上げるコツが詰まっているので、個人でビジネスをやっていこうと考えている方はさくっと読んで、手元に置いていつでも見返せるようにしておくことをおすすめします。

目次

おすすめの人: 個人でビジネスを始めようと考えている方

前述しましたが、個人でビジネスを始める予定のある方は一読しておくと様々なアイデアの質がより上がるはずです。

個人的に新たなアイデアを思いついてもマネタイズ方法は「ネットで集客して広告収入」という芸のなさだったので、これを読んでから仕入れでの差別化や客に体験と作業させることで人件費を減らすことなどを頭に入れることができました。

最近よく目にするマインドだけで終始するような中身の薄い本ではなくて、起業家一本の人生を送ってきた事業化botさんが商売の原理原則をまとめてくれた本書は大きな価値があると思っています。

金儲けは最強のビジネススキル

私たちの生きる世界が資本主義社会である以上、[仕事ができる=会社の収益への貢献度]ということなるはず。

サッカーをやりたい人が筋トレから始めないように、ビジネスをやりたい人がパワーポイントの資料作りから始めては効率が悪く、会社への収益には直結しない。

世の中のビジネス書はそういった「仕事術」にフォーカスしているけれども、真の仕事術は「金儲け術」であり、金儲けこそが最強、最高のビジネススキルであると著者は言い切ります。

要は金が稼げればいいだけなのである。エクセルでうまく計算ができたり、パワーポイントでキレイなプレゼン資料を作れたり、英語ができたりする必要性は、本質的な仕事の能力とは全く関係ないのだ。

事業家bot – 金儲けのレシピ

資本主義社会で生き残ることを考えろ

ポスト資本主義や評価経済といったワードが近年話題になっていますが、その内実はSNSによるフォロワーのマネタイズ、つまりは広告ビジネスの拡大に過ぎないとのこと。

資本主義はこれまでも拡大してきたし、これからも拡大するのはほぼ間違いないので「資本主義」そのものに疑問を投げかける暇があったら、どうやって資本主義社会で勝利し、生き残っていくかを考えた方が良いと。

誰でも、簡単に、必ず儲かるはあり得ない

まず儲かるビジネスは基本的に「需要に対して供給が少ない」状況によって起きる事象であるため、「誰でも、簡単に、必ず儲かる」のであれば、参入者が増え、限界利益がゼロになるまで参入者の増加が続くと言えます。

限界費用: 売上高と変動費の差のことで、すべての固定費を回収できる地点を示す管理会計上の指標

  1. 初期投資の多いビジネス
  2. 自分が詳しくないビジネス

以上の二つは儲からないビジネスの代表例。

店舗ビジネスなんかは損をするときは大損をするが、うまくいった時もボロ儲けにならないとして参入を避けることをすすめています。

マキャベリは「天国へ行くのにもっとも有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである」と言ったが、これを金儲けに応用すると「儲かるビジネスを作るもっとも有効な方法は、儲からないビジネスについて熟知することである」ということになるだろう

事業家bot – 金儲けのレシピ

15個の金儲けのレシピ

以下15個の「金儲けのレシピ」を紹介していきます。

レシピごとに本質と具体例を1つ載せているので本書の重要箇所は抜き出せているかなと思います。

レシピ0: 商売の原理原則

完全競争市場にならない市場で勝負する

完全競争市場では利潤はゼロになるため、普通に商売を行うと最終的に自分の労働コスト分しか利益が残らない。

完全競争市場: 市場に需要者と供給者とがきわめて多数存在していて、彼らが自らの需要量または供給量を変化させることによっては市場価格を動かすことができない場合の市場状況

儲けるためには、「特殊な理由で『完全競争市場』にならない市場」を発見し、作り出す必要がある。

LTVとCACで収益性を判断する

LTV: 一人の顧客が生み出す利益

CAC: 一人の顧客を獲得するのに必要なコスト

つまり、LTV > CACという状況を作ることができれば、必然的に儲かるし、ビジネスを判断する本質的な軸として「顧客当たりの収益性」が有用ということになる。

レシピ1: 消費者から買う

消費のプロフェッショナルである消費者は消費する際の相場はわかっているが、売る際の相場はわかっていない。

【具体例】
中古車ガリバーは買取専業という新しいビジネスモデルによって大きく成長した。これは消費者から商品を仕入れることに注力し、ある程度価格が安定している商品を業者間のマーケットに流すことで利益を得ている。

レシピ2: 客に作業させる

客に作業を押し付けることでコストを削減している。その作業が客に負担になっているのではなく、エンタメ性や体験を帯びているのが特徴。

【具体例】
DIYということにして材料よりもコストがかかるはずの組み立ての部分を客に作業をさせることで利益を上げているIKEA。
同様に客にただ肉に少量のタレをつけて客に提供し、自ら焼かせて調理の工程を省いている焼肉屋も客に作業させることで利益を生み出している。

レシピ3: まとめると高くなる、切り分けると高くなる

狭い土地であれば2階建ての民家しか建てられないが、まとまったエリアがあれば50階建てのビルを建てられる。
一方肉や魚はカットすることによって食べやすく、一手間かかっているという認知が消費者に働く。

・まとめると高くなる: 土地
・切り分けると高くなる: 肉や魚

【具体例】
森ビルのビジネスモデルは10年以上の長い時間をかけて土地を買い集め、再開発を行い、巨大なビルを建てるというもの。ただの民家が密集したエリアがたちまち都会っぽくなる。

レシピ4: 1:n構造を作る

提供価値が同じなのであれば、1回の仕入れに対して顧客nの数を最大化することができれば原価率を引き下げることができる。

また、オンラインコンテンツであれば一度作ったものを複数回売ることが可能。

【具体例】
個別授業、集団授業、映像授業の3つで考えると映像授業は生徒がいくらいても先生は一人で済むわけなので、塾という業態においては最強のビジネスモデルになる。

レシピ5: 両方から金をもらう

広告や紹介先企業からのマネタイズが一般化した成熟産業でも利用者という新たなキャッシュポイントを作ることによって、新たな切り口から参入することが可能になる。

【具体例】
転職エージェントは基本的に無料で求職者を支援して、紹介先の企業からマネタイズするのが基本であったが、求職者に合った企業ではなくて、紹介料を多く払ってくれる企業に誘導してしまうという問題があった。

しかし、ハイクラス転職でお馴染みのビズリーチはあえて求職者からもお金を受け取ることによって、真に求職者に寄り添った転職仲介を可能にした。

レシピ6: 合法的に麻薬を売る

原則として中毒性の強い商品は非常に儲かるため、酒やタバコは国家に税が課せられている。

【具体例】
「砂糖」、「小麦粉」、「脂肪」という白い粉3つは原価率が低く、中毒性が高い商品であるため、クレープ屋やタピオカ屋など、見た目のインパクトなどのマーケティングによって左右されるビジネスが多い。

レシピ7: 確率をいじる

国家が独占している宝くじや競馬などギャンブルは収益性が異常に高い。中毒性が高く、繰り返し顧客に参加させる力があるのでレシピ6の合法的に麻薬を売ると共通する。

このギャンブル的な要素を利用し、適度に顧客に当たりを引かせることで射倖心を刺激する。

【具体例】
ビックリマンチョコ、ソシャゲ、遊戯王が当てはまる。

特に遊戯王は紙に絵柄を印刷したものを100円から1000円ほどで売っているのもあって、ほぼ紙幣を印刷しているようなもの。
カードゲーム業界やコナミ社員からは造幣局と呼ばれていたらしい

レシピ8: 空気を売る

水商売は本質的には異性が接客することが提供価値ではあるものの、席料や水、酒にやたらと高い料金を設定し、それを売ることで商売が成り立っている。

【具体例】
クラブやディスコの本質的価値は人が集まっていること。客は空間に入るだけ、つまり空気を売っているだけなので損益分岐点を越えればあとは全て利益になる。

このような入場料でマネタイズするビジネスは水や酒を売るよりもさらに原価率が低いため、よりチャンスのあるビジネスと言える。

レシピ9: 意思決定に介入する

「三方よし」など相手に得をさせることで最終的には自分も得をするということがよく言われているけれど、こと個別の営業を想定した場合は当然ながら顧客になるべく非合理な意思決定をさせて、会社が儲かるようにする方が有利。

【具体例】
代表例が来店型保険ショップ。本書のライフネット生命とほけんの窓口グループの売上高を見ると一目瞭然。

ライフネット生命がネットで完結する自分で能動的に選ぶ保険であるのに対し、ほけんの窓口では自分で調べることができない情報弱者がターゲットとなっている。

当然、ほけんの窓口の方が売上高は高い。(約3倍)

レシピ10: 仕入れで儲ける

ビジネスは基本的に「安く仕入れて普通に売る」か「普通に仕入れて高く売る」の2種類から成り立つ。

著者は「安く仕入れて普通に売る」方が競争の参入を招きにくく、おすすめしている。

【具体例】
ブックオフの創業者が立ち上げた俺のイタリアンは高品質な料理を高単価で高回転させることで利益を上げている。

それを可能にしているのが、3つ星レストランなどで低賃金で働かされているシェフをより良い給料で雇っていること。つまり、料理人の仕入れが俺のイタリアンの差別化要因だった。

レシピ11: 他人の財布を狙う

人間は自分でお金を払うときにはコスパを意識するが、他人が払う場合にはむしろ無駄がある方が贅沢に感じられ、接待効果が高いとも考えられる。

【具体例】
結婚式や葬式が代表的な例。みずぼらしい式を行うわけにはいかないという配慮から1ランク、2ランクアップグレードしたプランを選んでしまうことが多い。

同じようにプレゼントの場合もある一定額以上の金額を支払わなければいけないという暗黙の了解があるため、実際の価値よりも高値で売りやすい。

レシピ12: 高いものはいいものだ

高級品など自分が上流階級であることを示すための商品を購入することを「顕示的消費」と呼び、その商品は高いからこそ意味があるという側面がある。

【具体例】
品質がわからないものの場合、高いものの方が良いものだという類推が働く。

60分100円の占い師と60分1万円の占い師ならどちらが信頼できそうかは明白。こういったなんとなく高い方が信頼感を高められそうなビジネスは有利になる。

レシピ13: 勝手に「権威」になる

ブランドがない状態で勝手に格付けしたり、認める側に立つことで有利に事業を展開することができる。

【具体例】
「日本漢字能力検定」は松下電工の社員であった大久保昇氏が立ち上げた民間資格であり、「漢字」という自分のものでもないものに対して検定を作り、認定する立場になることでボロ儲けすることができた。

近年は〇〇ソムリエなど多くの謎の専門家が登場しているが、こういった謎の資格を大量に作ることで利益を出すことが可能。

レシピ14: 信者ビジネス

Appleのような半ば宗教的なビジネスは信者が購入すると共に宣伝の役割も担ってくれるため劇的にCACが下がる。ここが信者ビジネスの一番の強みと言える。

【具体例】
ベイン・アンド・カンパニーが開発したNPSという指標では「この商品を家族や友人にすすめたいと思いますか?」11段階の質問に9以上のスコアをつけた人を「推奨者」として定義し、顧客であり、宣伝者であると定義している。

レシピ15: 究極のレシピ

経済活動における根源的な欲求は「もっとお金を楽に儲けたい」であるため、そのニーズを満たす金儲けのレシピを作ることができれば圧倒的に儲けることが可能。

【具体例】
情報商材やフランチャイズが代表的な金儲けのレシピの一つであるが、「本当は儲からないレシピ」を売った場合、顧客が一定数を超えてくると詐欺だなんだという不満が漏れ、売れなくなる。

継続的に勝つためには本当に儲かる金儲けのレシピを売る必要がある。

まとめ: ビジネスアイデアの質が上がるはず

15個のレシピについて見てきましたが、冒頭で述べたようにこれらをざっと知るだけで事業アイデアの質が上がるはずです。

一応全てのレシピについて軽い要約を加えたものの、まだまだ具体的な例やポイントを載せきれていません。

さらに詳しく「金儲けのレシピ」を知りたい方はぜひ本書を読んでみてください。

金儲けのレシピ - 要約

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この記事を書いた人

人生の最適化を目指すために様々なライフハックを試す男 | QOLを上げる書籍やアイテム、アプリの使い方などを紹介中

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