Tiago Forteという方が提唱しているPARAメソッド。
デジタル情報全てを万能に整理するための方法として知られており、このフレームワーク通りに運用することでNotionやObsidianなど、どんなツールを使っていても情報整理が楽になるというすげえメソッド。
PARAメソッドについて日本、海外問わず、あらゆる記事や動画をインプットしたのでその全貌を解説させていただきます。
PARAメソッドとは
PARAメソッドはアメリカの生産性の専門家であるTiago Forte氏が提唱したもの。彼は、情報を整理するために重要なことは複数のツールを使うことではなく、単一の整理体系を採用すること。と考えています。
PARAの意味は「P: プロジェクト」「A: エリア」「R: リソース」「A: アーカイブ」で、この4つの要素に分けて、デジタル情報を整理するというもの。
プロジェクト(Projects)
Projectsとは、その名の通り、特定の目的を達成するために行う一連の作業のこと。
プロジェクトは必ずゴールと結びつく必要があり、「ゴールのないプロジェクトは趣味でしかなく、プロジェクトのないゴールは夢でしかない」とTiago Forteは語ります。
例えば、「英語を学習する」というものはゴールもなければ期限もないですよね。「TOEICのスコアを9月までに800点に伸ばす」こういったものがプロジェクトになります。大切なことはゴールと期限を明確にすること。
以下プロジェクトの例。
- 3月中にYoutube発信の準備を完了させる
- 5月中に新しいパソコンを購入する
- 8月までに簿記3級を取得する
- 10月までにベンチプレスMAX80kgを達成する
- 11月までにWebサイトを完成させる
エリア(Area of Responsibility)
エリアとは、私的な役割や仕事上の専門分野など、個人が責任を持つ特定の分野のこと。
エリアでは目標の達成というよりは一定の基準を設けて、長期間維持することを重要視しています。
例えば、マーケティング担当の方であれば「マーケティング」、子どもがいれば「父」、健康に関心があれば「健康」といったエリアを作っても良いでしょう。
また、プロジェクトはエリアと紐付いて行われます。「8月までに簿記を取得する」プロジェクトは「経営」もしくは「経理」というエリアに、「10月までにベンチプレスMAX80kgを達成する」というプロジェクトは「健康」というエリアと紐づくでしょう。
プロジェクトの進捗は定量的に測るものですが、エリアの進捗は定性的に判断するものなので、両者を混ぜると正確に進捗を判断できないというのがこれらを分ける目的のようです。
以下エリアの例。
- エンジニアリング
- 生産性
- 執筆
- サッカー
- 哲学
リソース(Resources)
リソースとは、個人が日々利用する情報や現在興味を抱いていること。
プロジェクトやエリアで再利用できそうなもの、他の人にも共有できる情報はこのリソースに入っていきます。
例えば、「3月中にYoutube発信の準備を完了させる」のプロジェクトではもしかしたらベンチマークにしたチャンネル成功理由を分析したリストがあるかもしれません。
こういうものを積極的に切り出して、リソースに入れていきます。
以下リソースの例。
- フリーのイラスト素材まとめ
- 個人開発の流れ
- 健康的な料理レシピ集
- M1 Macbookを購入した理由
- 財務諸表を読み解くポイント
アーカイブ(Archive)
アーカイブとはP(プロジェクト)A(エリア)R(リソース)で用済みになったもののこと。
使わなくなったPARを削除するのではなくて、アーカイブに入れることによって、自分が終わらせたものを一覧で見ることができるし、「やっぱり前に興味持ったあれ、必要になった」という時に再利用できるようになります。
プロジェクトからARAへの移行
プロジェクト→エリア
プロジェクトが期限やゴールがあるものでなく、継続的に取り組む必要があり、自分の責任領域になった場合。
これは原文に書いてあったわけではないですが、例としては
プロジェクト: 4月中にブログで生産性系についての記事を3本書く → エリア: 生産性を向上させる発信
のようなものだと思います。
こういったプロジェクトが頻繁に発生し、継続的に生産性について発信すると決めた場合にエリアへと移行するべきだと個人的には考えています。
プロジェクト→リソース
プロジェクトを進めている時に調べたものや再利用できると思ったものが発生した場合。
再利用や他の人へ共有するために積極的に切り出していくのが良いとのこと。
ただここについてはWebクリップの問題と同じく、なんでもかんでもリソースにぶち込んでしまうと何がなんだかわからないごちゃついた問題に発展してしまうので入れるものの基準は決めておいた方が良いでしょう。
情報を厳選する基準についてはRaindopの記事で詳しく述べています。
プロジェクト→アーカイブ
プロジェクトが完了した場合。これについては特に述べることはありません。普通のプロジェクト管理のフローです。
エリアからPRAへの移行
エリア→プロジェクト
エリアから見えた新しくゴールのある期限付きのやるべきことが出てきた場合。
例としては先ほどの逆。
エリア: 生産性を向上させる発信 → プロジェクト: 4月中にブログで生産性系についての記事を3本書く
Tiagoさんはプロジェクトとエリアを無理に結びつける必要はないと言っていますが、個人的にはやることを明確にして、無駄なプロジェクトを増やさないためにも、エリアに結びついたプロジェクトのみを新しく作成していくべきだと思っています。
エリア→リソース
これもプロジェクトと同じく、調べたものや再利用できると思ったものが発生した場合。
今は進めているプロジェクトや継続的に行うことではないけれど、ずっと使えそうなもの、例えば以下。
エリア: 営業 → リソース: クロージングのフレーズ一覧(転職して営業ではなくなった場合)
エリア→アーカイブ
これはあまり無さそうですが、興味がなくなった場合や職種を変更したりなど、大きな役割変更をした場合には発生するかもしれません。
リソースからPAAへの移行
リソース→プロジェクト
リソースのもう一つの役割である興味関心があるものに取り組みたくなった場合。以下例。
リソース: ポーカー入門 → 6月以内にポーカーの定石を一通り学ぶ
リソース→エリア
自分が持つ役割・責任において常にその情報が利用できそうな場合。
あまりよくわかりませんでした。サッカーの戦術について趣味で調べていたら、少年サッカーのコーチになったとかそんな感じだと思います。(適当)
リソース→アーカイブ
興味関心がなくなった場合や、使わないだろうなと思った情報など。
削除しても良いけれど、アーカイブに入れておくといつか思い出して使いたくなった時に楽とのこと。
個人的に読んだ記事とか見た動画は全部アーカイブにぶち込んじゃってもいいかなと思っています。
アーカイブからPARへの移行
簡単に言うと「使わなくなったけど、前になんかやった気がする」というものを再び使えるようにするのがアーカイブの役割なので、心理的な安全性(全てのやったこと、調べたことは最悪アーカイブにはある)の担保という形で使えば良いでしょう。
まとめ: なんかしっくりこないけどNotionでやってみると良さそう
ところどころよくわからないところや、「それ無理にPARAに当てはめようとしてね?」と感じる部分はありましたが、プロジェクトとエリアを明確に分けることや、プロジェクトを進める中で発生した情報をリソースに切り出すことはかなり参考になりました。
さっそくNotionをPARAで運用するために改造してみたのですが、タスク管理がGTDとPARAの良いところを組み合わさったような形になり、結構良い感じです。
Notionで行うGTD + PARAのタスク管理システムの構築についてはまたの機会に紹介させていただこうと思います。
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