Quoraが開発した生成AI「Poe」を徹底解説 | 収益化も可能なチャットボットプラットフォーム

Poe - Quoraが開発した新しい生成系AI
  • URLをコピーしました!
目次

Poeとは

Poeとは、Quora社が開発した、ChatGPTやClaudeなど複数のAIモデルを一つのプラットフォームで利用できるサービスです。

2023年2月に一般公開版としてリリースされ、日本語版は同年7月にリリースされています。

Quora社はかなり日本市場を意識してくれており、Poeの多言語対応でも英語以外の言語としては日本語版が初だったようです。

Poeの運営会社

社名Quora, Inc.
設立年度2009年
代表取締役Adam D’Angelo
主力事業Quora: Q&Aプラットフォーム
資本金4億3,500万ドル(2020年時点)
Generated by Poe

Quoraは、2009年にAdam D’AngeloとCharlie Cheeverによって設立されたQ&Aプラットフォームで、世界中のユーザーからの質問と回答を集め、高品質な知識を提供することを目的としています。

自分もQuoraは2020年ごろから使っているのですが、専門家やオタクなどによる非常に詳しく面白い回答が多く、知的好奇心の高いユーザーが利用するバージョンのYahoo知恵袋といった感じです。

CEOのAdam D’Angeloは元FacebookのCTOであり、マーク・ザッカーバーグのルームメイトとして初期のFacebookを支えた人物としても有名。

そんなQuoraによる生成系AIサービスということで今後の展開にもかなり期待できると思います。

QuoraとPoeの将来: CEOのAdam D’Angeloより

ざっくり要約すると、

  • AIの研究はまだ成熟してないが、プロダクト作りにおいて根本的な改革をもたらす可能性があるため、(乗り遅れないために)Poeを開発した。
  • QuoraとPoeを連携させ、AIの力でQuoraをより良いプロダクトにする予定
  • PoeはOpenAIとAnthropicのモデルを利用している
  • 他のAIモデルをプラグインできるAPIを作成している(よくわからない)
  • Poeで作られたQ&AもQuora上で見れるようにするつもり。ただし、ユーザーが公開するか非公開にするかは選べる

こういうのを聞くと、Q&Aサービスと生成系AIはめちゃくちゃ相性良さそうに感じますね。


AIの研究においても、その研究を製品作りに応用することにおいても、まだまだやるべきことがたくさんあります。しかし、こうした動きは非常に早く、製品の作り方を根本的に変える必要があるため、私たちはQuoraから独立した新しい製品としてPoeを開発しました。

同時に、AIがより良い体験を可能にすることで、Quora自体も進化させていきますし、Poeで作られたコンテンツが十分に高い品質基準を満たした場合にはQuoraで配信する予定ですが、Poeを新しいプロダクトとして構築することはゼロからのスタートです。

Poeは、OpenAIとAnthropicのモデルで動いているが、将来は様々なAIモデルが利用可能になると予想される。
ただし、これらのモデルを一般に役立てるためには、高速で使いやすいインターフェースが必要である。

Poeは、AIモデルを簡単にプラグインできるAPIを作成しており、最高の事例をPoeの全ユーザーに配布することにより、AIモデルの能力を共有することを目指している。

Quoraには毎月4億人のユニークビジターがおり、Poeで作られた最高のコンテンツを簡単に見ることができるようにするつもりである。ただし、現在、Quoraでみんながシェアした文章を使ってPoeの言語モデルをトレーニングすることはしておらず、将来的に行う場合はオプトアウトが可能になる予定である。

Poeは完璧ではないが、共有機能により、役立つユースケースを発見することができる。iPhoneまたはiPadをお持ちの方は、本日よりpoe.comにアクセスして、Poeをお試しください。

Poe – Adam D’Angelo by Quora

Poeの料金体系

機能無料版ProBusinessEnterprise
料金無料月額2500円/年額3万円(日本版であるため円決済)$50/月$200/月
コンピュートポイント付与なし1,000/月2,000/月5,000/月
会話回数上限制限あり(100 – 300メッセージ)制限なし制限なし制限なし
カスタムボット作成
質問回答
分析機能
コーディング支援
チームコラボレーション
優先サポート
SLA/セキュリティ

Poeの有料版: オリジナルボットについて

無料版では、ユーザー自身でカスタムボットを作成することはできないようです。
既存のボットを使って会話をすることはできますが、ボットのカスタマイズはできないという感じ。

有料版にすると以下のようなカスタマイズ機能が利用できます。

  • カスタムボットの作成と編集: ユーザー自身でボットのプロンプトやキャラクター設定を定義可能。
  • パーソナライズ: ボットの性格やトーン、会話スタイルなどをカスタマイズ可能。
  • 機能拡張: ボットに各種機能(質問回答、分析、コーディングなど)を追加可能。
  • コラボレーション: チームメンバーと共同でボットを開発・管理可能。

Poeの有料版: コンピュートポイントについて

コンピュートポイントというのはボットとの会話や各種機能の利用に応じて消費されるもので無料版にはこれがありません。

無料版ユーザーは1日あたりの会話数に制限があり、この制限を超えるとどのチャットボットを選んでも利用できなくなります。

有料版にするとコンピュートポイントが付与され、ポイントが不足しそうな場合は、追加購入する必要があります。高度なモデルほど1メッセージあたりのポイント消費が多くなるので例えばGPT-4だと1メッセージあたり350ポイント、Claude-3-Opusだと1メッセージあたり12000ポイント現在だと使用するようです。

参照: Poeに関するよくある質問

Poeの特徴と使い方

基本的には文章の自動生成に質問応答の改善、要約の自動生成などChatGPTやClaudeと同じようなことが主な使用用途になるでしょう。

業務によってAIモデルを使い分ける

ただ、Poeは単一のチャットボットではなく、様々なAIモデルを場合に応じて使い分けられるのでコード生成の際はClaude 3.5 sonnet、文章要約の際はGPT-4oなど必要に応じてモデルを切り替えて使っていけるのが特徴です。

日本ではあまり使う機会のないMistaral Largeなども利用することができるので、珍しいAIモデルを先んじて触ってみたり、一々プラットフォームを切り替えずに別々の業務を行えることでしょう。

有料版にすれば全てのAIモデルを使える

それぞれのプラットフォームで有料版を契約するとChatGPT Proは20$、Claude Proも20$です。

Poeに2500円(15$相当)課金するとこの二つに加えて、70以上(すごい!)のAIモデルを使用できるようになります。

複数のAIモデルと同時にチャットできる

同じチャットウィンドウ内で複数の大規模言語モデル(LLM)と同時にやり取りできます。

このマルチボットチャット機能により、ユーザーはクエリを入力し、GPT-4、Claude 2および3、StableDiffusion XL、GoogleのGemini Proなどの異なるAIモデルからの応答を受け取ることが可能です。

これによって様々なAIモデルの性能を比較できますし、さらにこのマルチボット機能を持ったモデルを利用して独自のAIチャットボットを作成することもできるかもしれないです。

参考: You can now use Quora’s Poe to chat with multiple LLMs at the same time

オリジナルチャットボットを作って収益化

エンジニアじゃなくても簡単なプロンプトや指示を提供することでオリジナルのチャットボットを作成できるのがPoe有料版の特徴の一つでしたが、これによって収益化もできるようです。

2024年4月9日にモデル開発者やボットクリエーターが利益を得るための新しい方法として、メッセージごとの価格設定機能を導入したとCEOのAdam D’Angeloが発表し、話題になりました。

カスタムボット作成者にはドルで支払われるようで、ダッシュボードで平均収益などを分析も可能です。

様々なAI製品が世の中に生み出される素晴らしいシステムを作ってくれたなーて感じです。今度挑戦してみます。

利用できるチャットボットの一覧

以下Poeで利用できる主なチャットボットの一覧です。

名前開発元特徴
GPT-TurboOpenAI高度なテキスト生成と理解能力
GPT-4oOpenAI最新の高性能モデル
Claude-instantAnthropic高速な応答
Claude-instant-100kAnthropic長文処理が可能
Claude-2-100kAnthropic長文処理と高度な理解能力
Claude-3-HaikuAnthropic軽量モデル
Claude-3-SonnetAnthropic中級モデル
Claude-3-OpusAnthropic高性能モデル
Claude-3.5-SonnetAnthropic現在全てのLLMで最も高性能なモデル
PaLMGoogleGoogle開発の言語モデル
Gemini-1.5-FlashGoogleGeminiの軽量モデル
Gemini-1.5-ProGoogleGeminiの最上級モデル
Playground-v2.5Playground画像生成AI
IdeogramSweat Equity Partners画像生成AI
Llama-3-70b-GroqMetaMeta開発のローカルで動く言語モデル
AssistantPoePoe独自のAIアシスタント

まとめ: 普通にChatGPTを課金にするぐらいだったら絶対Poeに課金した方が良い

  • Quora社によって開発されたAIプラットフォームでQuoraと連携することで、AIを活用した新しい知識共有の形を実現しようとしてる
  • ChatGPTやClaudeなど、複数のAIモデルを一つのプラットフォームで利用できるのでコード生成にはClaude 3.5 Sonnet、文章要約にはGPT-4oを使用するなど、必要に応じてモデルを切り替えることが可能
  • 料金プランは無料、Pro、Business、Enterpriseの4つで有料版であるProからコンピュートポイントが付与されて、より多くのチャット、機能を利用することが可能
  • 有料版では、オリジナルのチャットボットを作成して収益化することも可能

最近出たClaude 3.5 SonnetのArtifact機能みたいにUI面で劇的な改善がない限り、生成AIへの課金はPerplexityやPoeのように言語モデルを選択できるAIプラットフォームが絶対お得でいいと思いますね。

最新の高性能モデルが出たと思ったら1ヶ月後ぐらいには新しい高性能モデルに持ってかれるのが今の生成AI市場なので。

PoeでもArtifact機能が出たら最強なんだけどな。

Poe - Quoraが開発した新しい生成系AI

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

人生の最適化を目指すために様々なライフハックを試す男 | QOLを上げる書籍やアイテム、アプリの使い方などを紹介中

コメント

コメントする

目次
閉じる