ショート動画を作るとき、同じジャンルでどんな企画が見られているのか気になります。TikTokやReelsを見ながら参考動画を保存しても、後から冒頭の見せ方や構成を比べるには手間がかかります。
Virloは、こうした動画のリサーチに使うツールです。TikTok・Instagram Reels・YouTube Shortsを調べ、伸びた動画や投稿者、フックと呼ばれる冒頭の表現を分析できます。MCPでClaudeなどと接続すると、集めた情報を会話しながら整理し、企画や台本へつなげられます。
この記事では公式資料と公開された活用事例をもとに、機能、料金、日本語での調査、MCP連携を紹介します。掲載するプロンプトは用途に合わせて作成した入力例です。実機での検索結果や日本語の分析精度は未検証です。公式情報の確認日は2026年11月8日です。
Virloとは?ショート動画の調査・分析ツール
VirloはRed Lab, LLCが提供するショート動画のリサーチサービスです。動画を生成する前の、参考事例を集めて制作方針を考える工程で使います。Virloの公式紹介
主な機能を用途別に整理しました。
| 機能 | 調べる対象 | 活用する場面 |
|---|---|---|
| Content Research Agent | 指定したテーマの動画 | ジャンル内の参考事例をまとめて集める |
| Outlier Detection | 通常より成果が大きい動画や投稿者 | 再生数の多い理由を調べる候補を探す |
| Tracking Center | 競合アカウントや動画の推移 | 一度の調査で終わらせず変化を追う |
| Data Exports | 調査したデータ | CSVなどに出力して整理・比較する |
TikTok、Reels、Shortsを横断して調べたい人や、複数の競合アカウントを追うSNS担当者に合う用途です。YouTubeの長尺動画を中心に調べたい場合は、対象とする動画形式を確認して選びます。公式の機能一覧
料金はWeb版とMCP・APIで分けて考える
VirloにはWebアプリの月額プランと、開発者向けAPIの前払い従量課金があります。ClaudeからMCPで呼び出す場合は、API側の料金も確認します。
Web版の月額プラン
公式料金ページの月払い表示は次のとおりです。金額は米ドルです。
| プラン | 月払い | 毎月のプランクレジット |
|---|---|---|
| Starter | 49ドル | 2,000 |
| Pro | 199ドル | 12,000 |
| Enterprise | 499ドルから | 20,000と案内。個別条件は要確認 |
StarterとProには7日間の無料トライアルが案内されています。終了後は有料となるため、継続条件を確認して申し込みます。年払いの月額換算と、上の月払い価格は区別してください。Web版の公式料金表
MCP・APIは実行する処理に応じた料金
開発者向けAPIは残高をチャージして使います。代表的な処理の料金は次のとおりです。
| 処理 | API料金 |
|---|---|
| Content Research Agentの実行 | 1回0.50ドル |
| Data Intelligenceを付けた実行 | 1回1.50ドル |
| Virloのライブラリ内で動画を検索 | 結果のある25件のページごとに0.05ドル |
| 保存済みの調査結果を読み直す | 無料 |
たとえばData Intelligence付きの調査を1日1回、30回実行するなら、その実行分は45ドルです。追加検索や個別動画のチェックなどは別に計算します。Claudeなど接続先のAIサービスの費用も、この表には含みません。APIの公式課金ガイド
最初は一度だけ調べ、集まる動画と分析内容を見てから定期実行を考えると、必要な処理を判断しやすくなります。
日本語の動画を調べるときの条件
日本語で調査する場合は、調査目的とキーワードを日本語で指定します。Content Research Agentの設定では english_only: false を使います。既定の true は英語圏の市場に対象を絞る設定です。Content Research Agentの設定
言語と投稿地域は別の条件です。公式の地域フィルターはベータで、投稿地域が分からない動画は対象から外れます。「日本語で話す動画」と「日本から投稿された動画」を同じ条件として扱わず、調べたい対象を先に決めます。調査条件の公式ガイド
たとえばデスク環境の動画なら、「ガジェット」という一語よりも「狭いデスクの配線整理」「在宅勤務のデスク紹介」など、場面が浮かぶ言葉を使います。日本語UIへの対応や、希望するジャンルの日本語動画がどれだけ取得できるかは、契約前に確かめたい点です。
ClaudeとMCPで連携する
MCPはAIアシスタントから外部ツールを使うための仕組みです。VirloのデータをClaudeから呼び出せるようにすると、調査内容を日本語で指示し、結果の整理も続けて依頼できます。
Virloの公式ガイドでは、Claude Desktop、claude.ai、Claude CodeはOAuthによるサインインに対応しています。接続先のURLは次のとおりです。MCPの公式セットアップガイド
https://dev.virlo.ai/api/mcp/mcp
claude.aiでは設定のコネクタ追加からVirloのURLを登録し、案内に沿ってサインインします。利用するアプリのプランや権限によって設定の入口が異なるため、公式ガイドの該当アプリの手順に従ってください。
接続後の最初の依頼は、調査条件の整理までにすると進めやすくなります。
Virloで、日本語のデスク環境紹介動画を調べたいです。
在宅勤務をする人向けに、狭い机の収納や配線を改善する
短い実演動画を探すための調査目的と検索語を提案してください。
まず条件と実行にかかる料金を示してください。
条件と料金を確認したら、一度だけの調査を依頼します。冒頭や構成の分析も使うなら、最初の実行でData Intelligenceを指定します。この追加分析は過去の実行には適用されません。
提案した条件で一度だけ調査を実行してください。
日本語の調査目的と検索語を使い、english_only: false、
recurring: false、data_intelligence_enabled: trueを指定してください。
調査が完了したら、サマリーと元動画へのリンクを示してください。
使い方:参考動画を集めて企画にする
収集した動画は、URL、公開日、投稿者、数値を残して比較します。AIが提案した企画を読み返すときにも、元の動画へ戻れる形にしておくと判断しやすくなります。
1. 調査目的と検索語を具体化する
Content Research Agentではキーワードに加えて、何を集めたいかを文章で指定します。この調査目的が intent です。公式ガイドは、具体的なテーマ・動画形式・除外したい内容を含め、検索語を7〜12個ほど用意する方法を案内しています。調査目的の書き方
先ほどの例なら「在宅勤務をする人向けに、狭いデスクの収納や配線を改善する日本語の実演動画を探す」と書けます。検索語の候補は「デスク 配線整理」「狭い机 収納」「在宅勤務 デスク紹介」「デスク下 ケーブル収納」「モニターアーム 設置」「デスク 整理 ビフォーアフター」「机上収納 アイデア」などです。
集まった結果が目的とずれていたら、検索語と除外条件を見直します。除外語にテーマの中心となる言葉を入れると、欲しい動画まで落としてしまいます。
2. 冒頭と構成を比較する
Data Intelligenceは動画のフック、形式、トーンなどを分析する追加機能です。取得した各動画の分析項目を使うときは、処理状態や信頼度も確認します。Data Intelligenceの公式解説
分析の依頼例は次のようになります。
今回集めた動画から、調査目的に合うものを10本選んでください。
各動画のURL、公開日、再生数と取得できた反応数を表にし、
冒頭の言葉、最初に見せる映像、実演の順序、締め方を比べてください。
取得できない数値や確認できない内容は「不明」と書いてください。
そのうえで、別々の投稿者に共通する構成を探してください。
デスク整理なら「散らかった状態を先に見せる」「完成した机から始めて手順を戻す」など、見せる順序を比べられます。ここで挙げた構成は分析観点の例です。実際にどの型が見つかるかは、収集した動画を見て判断します。
3. 自分が撮れる台本へ置き換える
参考動画の表現を取り入れるときは、何を最初に示すか、どの順序で説明するかを考えます。商品名や体験談は自分が確認できる内容に置き換えます。
比較した動画を参考に、配線整理を紹介する30秒動画の企画を3案ください。
撮影に使えるのは自分の机、結束バンド、ケーブルトレーです。
各案に、冒頭の一言、撮影するカット、ナレーション、締め方を付けてください。
参考動画のURLと、参考にした構成も添えてください。
使っていない商品の感想や、測っていない効果は書かないでください。
この段階で「自分の机で実演できるか」「映像で違いが伝わるか」を確かめます。撮影条件まで渡すと、実際に作る動画へ絞り込みやすくなります。
再生数とアウトライヤーをどう読むか
100万回再生された動画でも、普段から同じくらい見られる投稿者と、普段は数千回の投稿者では意味が変わります。
Virloの単一動画向けVideo outlier checkは、その動画を投稿者の通常の再生数と比べます。公式では outlier_score を「動画の再生数 ÷ 投稿者の再生数の中央値」と説明しています。Video outlier checkの公式解説
たとえば通常の中央値が1万回で、対象動画が5万回ならスコアは5です。これは計算の例です。同じ投稿者の普段との差を見ることで、詳しく調べる候補を選べます。
スコアの高い動画を見つけた後は、企画や冒頭以外の条件も見ます。投稿時期、取り上げた商品、話題の出来事などが結果に関係する場合もあります。再生数や反応数を手掛かりに仮説を立て、自分の投稿で試す流れにします。
分析の後は撮影・音声制作へつなげる
企画が決まったら、必要な映像を撮り、ナレーションと字幕を整えます。音声生成についてはElevenLabsの記事で、自分の声のクローンと動画制作の例を紹介しています。
テーマを継続して追う場合は、Virloの調査を定期実行する方法もあります。毎回の結果を残し、「今週作る企画」「見送る企画」「次に調べたいこと」を短くまとめると、調査が制作へつながります。情報収集と通知の運用についてはHermes Agentの記事も参考になります。
まとめ
Virloは、ショート動画の参考事例を集め、企画や冒頭の見せ方を比較するためのツールです。Claudeと接続すると、調査結果を会話で整理し、撮影条件に合う台本を考えられます。
始めるなら、まずひとつのジャンルで一度だけ調査します。目的に合う動画が集まるか、元動画に戻って分析を確かめられるか、その材料から次の一本を作れるかを見て、継続利用を判断するとよさそうです。
