毎日チェックする情報源から新着を集め、自分に関係する話題をまとめて届けてほしい。Hermes Agentでは、こうした作業の手順を残し、決まった時刻に実行する構成を作れます。Telegramと接続すれば、スマートフォンから指示したり、結果を受け取ったりすることもできます。
私も2026年6月にHermes AgentをTelegramへ接続し、Xの情報を毎日取得するフローを構築しました。情報配信用と通常の会話用でプロファイルを分け、Macで常時起動する構成にしました。
その後は運用を見直し、9月には日次通知を専用スクリプトへ一本化してHermesのcronを停止しました。この経緯も交えながら、Hermesの機能、記憶とスキル、Telegram・MCP連携、導入と費用の考え方を紹介します。公式情報の確認日は2026年11月6日です。
Hermes Agentで何ができる?
Hermes AgentはNous Researchが開発するAIエージェントです。モデルに指示を渡し、ツールを使って作業を進めるソフトウェアで、メモリやスキル、定期実行などの仕組みを備えています。公式ドキュメント
この記事で扱う主な機能を整理しました。
| 機能 | 設定・入力するもの | 用途 |
|---|---|---|
| 永続メモリ | 好み、作業環境、継続して使う前提 | 次の会話でも必要な情報を参照する |
| スキル | 作業の手順や判断基準 | 繰り返す仕事の進め方を再利用する |
| 定期実行 | 実行する内容、時刻、配信先 | 毎朝の情報収集やレポート作成 |
| Telegram連携 | Botと利用者の設定 | スマートフォンからの指示と結果の受信 |
| MCP連携 | 接続する外部ツール | 外部サービスの機能を呼び出す |
執筆や調査へ用途を広げる場合も、まず何を入力し、どの形で結果を受け取るかを決めると作業を組み立てやすくなります。
モデルとHermesを別々に選ぶ
Hermes Agentを導入した後は、利用するモデルと提供元を設定します。公式ガイドでは hermes model から対話形式で選ぶ方法が案内されています。モデル設定を含む公式クイックスタート
モデルは文章を理解したり、次の操作を判断したりする役割を持ちます。Hermesは、そのモデルを呼び出し、手順やツールと組み合わせて作業を進める側です。同じHermesでも選ぶモデルや利用できるツールによって、結果と費用が変わります。
たとえば新着情報を集める仕事なら、文章の要約に加えて、情報源へアクセスする方法も必要です。Xのブックマークなどを収集するには、取得先に対応したAPIやツールを用意します。
記憶とスキルで何を残せる?
メモリには次も使う前提を残す
Hermesの永続メモリは、環境や学んだことを扱う MEMORY.md と、利用者の好みや期待を扱う USER.md に分かれています。保存した情報はセッション開始時に読み込まれ、次の会話でも使われます。メモリの公式解説
情報収集なら「日本語で報告する」「原典へのリンクを付ける」といった、繰り返し使う前提が候補になります。メモリには継続して使う前提を絞って残します。
スキルには作業の手順を残す
スキルは、必要な場面で読み込む手順書です。Hermesは複数の工程を経て解決した作業や、利用者の訂正から得た手順を、スキルとして作成・更新できます。スキルの公式解説
たとえば情報をまとめる仕事でも、収集するだけでは足りません。同じ話題をまとめ、重要な主張を原典と照合し、自分に関係する理由を添える工程があります。この順序と判断基準を残せるのがスキルです。
導入と最初の会話
macOSとWindowsにはHermes Desktopの配布パッケージがあります。コマンドラインだけで使う方法もあり、導入方法はOSと配布形態によって異なります。公式インストールガイド
インストール後の主な操作は次のとおりです。
hermes setup
hermes model
hermes
hermes setup は全体の設定、hermes model はモデルと提供元の選択、hermes は会話の開始です。セットアップ方法によって有効になる機能が異なるため、メモリやスキルを使う場合はその設定も確認します。初期設定の流れ
最初は短い会話で応答を確認し、次に自分が渡した資料を要約させるなど、結果を確かめやすい作業を試します。公式ガイドも、通常の会話が動くことを確認してからGatewayや定期実行を加える順序を勧めています。
Telegramから指示して結果を受け取る
Telegram連携では、Hermesを会話用のBotとして使えます。チャットで依頼を送るほか、定期実行したタスクの結果を受け取ることもできます。Telegram連携の公式ガイド
現在の公式ガイドにはデスクトップ画面からの設定方法と、Botを作成して対話形式で設定する方法があります。CLIでは次のコマンドが案内されています。
hermes gateway setup
Telegramを選び、Botの認証情報と利用を許可するユーザーを設定します。設定後はGatewayを起動し、Telegramからメッセージを送って確認します。
hermes gateway
Gatewayはメッセージの受け渡しや定期実行を担うプロセスです。スマートフォンから使う場合も、Hermesを動かすMacやサーバーが稼働している必要があります。
私の運用では情報配信と会話を分けた
2026年6月の構成では、情報配信用と通常の会話用に2つのプロファイルを用意しました。両方をmacOSのlaunchdで常時起動する構成です。
プロファイルを分けると、用途ごとの設定を管理できます。現在の公式ガイドでも、複数プロファイルの運用ではプロファイルごとにGatewayを管理する方法が案内されています。複数プロファイルのGateway運用
最初はひとつの用途で接続を確認し、管理したい設定が増えてから分ける進め方もあります。
運用例:情報収集を定期実行して届ける
Hermesのcronでは、自然言語やcron式で作業の時刻を設定できます。繰り返し実行するタスクにスキルを付け、結果をチャットやファイルへ届ける構成を作れます。定期実行の公式ガイド
私もXの情報を毎日取得するフローを作りました。収集した情報のまとめ方まで設計するなら、次のように工程を分けられます。
- 確認する情報源と対象期間を決めます。
- 新着を集め、同じ話題を整理します。
- 要点と原典へのリンクをまとめます。
- 未確認の情報を分かる形で残します。
- Telegramへ届け、必要な話題を自分で読みます。
指示には情報源、出力、確認範囲を含める
定期実行の前に、同じ依頼を一度試して内容を確認します。情報源と件数、出力形式を指定して依頼します。
指定した情報源の新着から、個人で使えるAIの実践例を3件までまとめてください。それぞれに何ができるのか、元のURL、確認できていない点を付けてください。調査メモとして保存し、公開用の文章は作らないでください。
情報収集の対象を広げるほど、読む量も増えます。件数を絞って出典と内容を確認し、役に立つ情報が残るように指示を直すと、その後の定期実行も評価しやすくなります。
通知は専用スクリプトへ移した
私の運用では、2026年9月に空通知の原因を調査し、日次通知を専用スクリプトとlaunchdへ一本化しました。そこでHermesのcronを停止しています。
作業を組み立てる際は、内容を選び要約する工程と、決まった結果を届ける工程を分けて考えられます。処理が固定してきた部分をスクリプトへ移すことも、運用を整理する選択肢になります。
ObsidianとMCPで資料やツールにつなぐ
Obsidianには原資料と詳しい記録を残す
短い前提を持つメモリとは別に、読んだ記事や詳しい要約、過去の判断を置く場所があると、調査を続けやすくなります。Markdownで資料を蓄積しているなら、Obsidianのノートもその候補になります。
外部のメディア運営事例では、Obsidianに文体・読者・証拠・過去の学びを保存し、Hermesの役割別プロファイルと作業管理を組み合わせています。HermesとObsidianを使った編集フロー
取り入れるなら、まず参照する資料の範囲と、生成したメモの保存先を決めるところから始められます。
MCPは外部の機能を呼び出す接続方式
MCPはAIエージェントが外部ツールの機能を呼び出すための共通の接続方式です。HermesではMCPサーバーを接続し、外部のファイルシステムやサービスなどのツールを利用できます。MCPの公式解説
前回紹介したElevenLabsの記事では、AIアシスタントから音声生成を呼び出す使い方を取り上げました。HermesでもMCPを通じて外部ツールの機能を呼び出せます。
必要な機能を持つサーバーを選び、認証方法や利用できる操作を確認して接続します。情報の読み取り、下書きの保存、外部への公開は作業を分けておくと、どこまで任せるかを決めやすくなります。
料金と運用費用の考え方
Hermes AgentのコードはMITライセンスで公開されています。ただしソフトウェアを導入することと、モデルや外部サービスを利用することでは費用の条件が異なります。公式リポジトリ
費用は使う構成ごとに確認します。
| 費用の項目 | 確認すること |
|---|---|
| モデル | 提供元の契約、利用上限、従量料金 |
| 情報収集用のサービス | 検索や取得先APIの料金・利用条件 |
| 実行環境 | 手元のPCで動かすか、別のサーバーを用意するか |
| 定期実行 | 頻度、処理する情報量、失敗後の再実行 |
公式ガイドには、提供元を選んで認証する方法や、モデルとツールをまとめて利用するNous Portal経由の設定が案内されています。使える範囲と料金は選択する提供元の条件を確認します。提供元とセットアップの選択肢
まず一度実行して処理量を確認し、それを毎日動かす必要があるかを考えると、自分の用途に合う構成を選びやすくなります。
