情報収集や検索の方法も生成AIによって大きく変わりつつあり、盤石かと思われたGoogleのビジネスモデルの転換も考えられています。
現在そのGoogleの一番の脅威となっているのがPerplexity AIです。従来の検索エンジンとは一線を画す、この革新的なツールは、情報収集からコンテンツ作成まで、幅広いニーズに応える可能性を秘めています。
今回はそのPerplexity AIの使い方をを徹底的に解説していきます。
Perplexity AIとは: AI時代の検索エンジンの概要
Perplexity AIは、従来の検索エンジンとAIチャットボットの機能を融合させた、AI時代の検索プラットフォームです。
2022年8月にGoogle出身かつOpenAIで研究者を務めた経験を持つアラヴィンド・スリニヴァスをメインにアンディ・コンウィンスキー、デニス・ヤラッツ、ジョニー・ホーなどによってカリフォルニアで設立されました。
設立から1年にしてアクティブユーザー数は1000万人に到達しており、2024年時点で総額1億6500万ドルの資金を調達して企業価値は10億ドルを超えています。
従来の検索エンジンが膨大な検索結果を返してコンテンツごとにクリックして確認しなければいけないのに対し、Perplexity AIは、ユーザーから質問に対して検索エンジンやYoutube、論文などのさまざまな情報を集めてそれをまとめたものを回答として表示し、引用した情報まで提示してくれます。
2. Perplexity AIの基本的な使い方
基本的な使い方は以下になります。
- チャット形式で質問
- Proサーチ(より高品質な情報を集める機能)をOnの場合、ユーザーの質問の本質を理解し、様々な情報を自律的に集める
- 集めた情報で質問に対する回答を表示
- 関連する質問が下に表示される
- 引用された情報ソースにあたる
チャット形式で質問
ChatGPTやClaudeと同じくチャット形式で質問します。
Pro Search
画像のように[Pro]の部分にチェックを入れると、
このようにただ質問に対する回答を返すだけでなく、以下のように自律的にユーザーの質問の内容を汲み取り、何を調べ、どんな情報を集めればいいかステップバイステップで考え、より高品質な回答を返してくれます。
集めた情報で質問に対する回答を表示
その後、従来のテキスト型の生成AIと同じように回答を生成。
関連する質問が下に表示される
従来のテキスト型の生成AIと異なるのは表示した回答に合わせてさらに深掘りするための質問を自ら用意してくれるところにあります。
これが案外便利で、ざっくりとした質問(今回の例でいうと「Perplexity AIについて詳しく解説してください」)を投げるだけであとはPerplexity側でどんどん「こういうこと知りたいよね?」「これも知っておいた方がいいよ」と提案してくれます。
全く未知の領域について調べる時はかなり重宝する機能と言えるでしょう。
引用された情報ソースにあたる
以下のように回答上部に引用した情報ソースをまとめてくれているので画像の[view more]の部分をクリックすると、
それぞれの情報ソースに飛べるリンクを設置してくれます。信憑性を自分で確かめることができるというのが大きな利点ではあるのですが、良質な情報を発信しているメディアをこの機能経由で発見できることもあります。
また、日本語の記事だけでなく、英語の記事も集めて翻訳した上で回答してくれるので日本語情報が中々ないような最新のテック情報なんかはPerplexityを使うのが良いでしょう。
Perplexity AIの基本的な機能
Perplexity AIには、上記で説明した機能以外にも情報収集を効率化するさまざまな機能が備わっているので全て紹介します。
フォーカスモード
フォーカスモードは、特定のメディアに絞って情報検索を行う機能です。使用可能なメディアは以下6つです。
- All(インターネット上の情報全てを検索して回答を表示)
- Academic(論文のみを検索して回答を表示)
- Math(数学に関する問題の回答を表示)
- Writing(インターネット上の情報を集めず、設定したAIモデルの事前学習した情報だけで回答を表示)
- Video(インターネット上の動画コンテンツ全てを検索して回答を表示)
- Social(RedditのようなSNSなどをメインに情報を検索して回答を表示)
ある分野の最新の研究結果について調査するためにAcademicを選択したり、新しく出たAIモデルの性能を調査するためにWritingを選択したり、他社商品の口コミ調査のためにSocialに選択するなどさまざまな活用方法が考えられますね。
画像検索と分析機能
テキストだけでなく画像も解析して検索することができます。
例えば、建築物の写真をアップロードし、「この建物のスタイルは何ですか?」と質問すると、AIが画像を分析し、建築様式や特徴について説明してくれて、同じようにそれを深掘りする質問を用意してくれます。
Library
Libraryは、スレッドをカテゴリーごとにまとめて管理するフォルダーみたいな機能です。
個人的にはこんな感じで調査した内容をまとめています。以前調べたスレッドを見返す場合はLibraryでまとめておかないときついですね。
Discover
まああんまり使わないですね。
最新のトレンドを探索するための機能なんですが、これ使うんだったらXとかYoutubeとかブックマークしてる好きなウェブサイトを漁ってのんびり消費する方がいいでしょ。
Perplexity Pages
Perplexity Pagesは、新機能として導入されたAIを使って自動的に生成されるウェブページです。一つの質問から記事生成・共有まででき、ブログ記事やレポートの下書きとして活用したり、チームでの情報共有に利用したりすることができます。
例えば何か仕事で調査依頼を受けたとき、友達におすすめの旅行先などを教える際に Perplexityで調べる → Perplexity Pagesを生成 → そのままそれを共有 という感じで調査から情報共有ソースの生成、共有までPerplexity1つで行えてしまうというわけです。
また、通常のPerplexity AIのチャットからの回答機能と同じように情報ソースを明示してくれるので共有された側も信憑性を自ら確かめに行けるということもできます。
AIモデルの変更
2024年8月18日現在Perplexity AIで使用できるモデルは以下です。
設定から以下のモデルを好きなように選択することができます。
AIモデル
- Claude 3.5 Sonnet
- Sonar Large
- GTP-4o
- Claude 3 Opus
- Sonar Huge
画像生成モデル
- Playground v3
- DALL-E 3
- Stable Diffusion XL
- FLUX.1
PerplexityとGensparkの比較
Perplexity AIとGensparkは、どちらもAIを活用した検索・情報収集ツールですが、ちょっとずつ特徴に違いがあります。
XではGensparkの方が優れているという声もあるようです。
Genspark
- 現状まだベータ版
- 情報の要約ではなく、要約した上でさらに自律的に情報を整理する
- 専門的な情報、特に医学系に強い
Perplexity AI
- 画像生成も可能
- 既に巨額の投資を受け、ユーザー数が一番多い
- 最新のWeb情報をもとに回答を生成
ブログ記事の作成に使ってみた感じそこまで大きな違いは感じませんでしたが、Gensparkの方がより専門的な情報の生成には優れているようなのでPerplexityのフォーカスモードでAcademicを選択するよりもしかしたら良い結果になるのかもしれないです。(何らかの研究を日常的に追いかけてるわけではないので検証できません。申し訳ない。。)
Perplexity AIの有料版(Pro)と無料版の違い
以下が有料版と無料版の違いです。
機能 | 無料版 | 有料版(Pro) |
---|---|---|
基本的な検索 | 無制限 | 無制限 |
Pro Search (高度な検索) | 1日5回まで | 1日600回まで |
AIモデル | GPT-4のみ | さまざまなモデルに切り替え可能 |
ファイルアップロード | 1日3回まで | 無制限 |
画像生成 | 利用不可 | 1日50回まで |
Pages機能 | 利用不可 | 利用可能 |
API利用 | 不可 | 月$5分のクレジット付与 |
Discordコミュニティ | 参加不可 | 参加可能 |
料金 | 無料 | 月額$20または年額$200 |
特に、Pro SearchはPerplexityの一番の機能と言ってもよいので有料版がおすすめです。
正直「現在どんな人にも活用できて、課金するべきものは何?」と聞かれたらClaude ProとPerplexity Proと答えますね。
この二つは本当に汎用性も高く、特にブログ作成などコンテンツ生成においてはかなり時間を削減してくれます。
ソフトバンクユーザーは無料
また、ソフトバンクのユーザーは、特別なキャンペーンとしてPerplexity AIのPro版を1年間無料で利用できます。自分もこのキャンペーンでProにアップグレードしました。
キャンペーン期間は2024年6月19日から2025年6月18日と一年ありますが、ソフトバンクユーザーの方はお早めに登録しておくことをおすすめします。
まとめ:Perplexity AIの使い方をマスターして次世代の検索方法に慣れておこう
以下Perplexityについてのまとめです。
- 2022年設立、急速に成長し企業価値10億ドル超
- 質問に対して様々な情報源から集めた回答を提供
- Pro Search機能で高品質な情報を自律的に収集
- 関連質問の提案機能と情報ソースの提示
- フォーカスモード、画像検索・分析、Libraryなどの機能に加えて、複数のAIモデルを選択可能
- Perplexity PagesというWebページ自動生成 + 共有機能
- ソフトバンクユーザーは無料でPro版を1年間利用可能
Perplexity AIは個人的にかなり好きなAIツールで、Claudeと合わせてコンテンツ生成時には毎回使用しています。
個人的にAIツールは使用感に慣れるための投資期間とも言える期間がもったいないので、最新ツールをあれこれ触るのではなく、デファクトスタンダードになった段階でガッツリ触っていくべきだと思っているのですが、Perplexity AIは検索分野では既にスタンダードになったのではないでしょうか?
仮に今後競合のGensparkや他の検索AIとの競争に敗れたとしても検索AIのUIやUXは基本的にPerplexity AIがベースになっていくと思われるので、今のうちに触ってAI時代の検索体験に慣れておくのがよいでしょう。
より詳しいPerplexityや生成AIの情報は以下をチェック
以下noteにてより具体的な生成AIやデジタルツールの使い方を紹介していきますのでフォローお願いします!
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