このブログの目標としているサイトのGentlemen’s Manualを読み漁っていたら、9 Simple Ways to Avoid Procrastination and Start Getting Things Done GTDという記事を見つけました。
GTDだけでなく、タスク管理や健康などありとあらゆる生産性に関することについてシンプルにまとめられていたのでシェアします。
基本的には下記記事の内容がベースですが、自分の経験や最後の章で掲載した参考文献にある書籍からもいくつか引用して自分なりに「先延ばしを避けるコツ」をまとめています。

1. 睡眠の質を高めて早起きする
寝る1時間前に全ての作業をストップしてリラックスする
決まった時間に仕事を中断して、脳にメリハリをつけます。通勤中は読書や思考する時間、家に着いたら家族と過ごしたり、趣味に没頭する落ち着いた時間などきっちりと区切ることでそれぞれの時間をより濃密に。
現代人は労働時間が長くなりがちで、常に携帯電話やPCを使っているため、仕事と休息の区切りがつくことがありません。
毎日同じ時間に仕事をするのをやめ、寝る前に脳を落ち着かせる時間を設けるだけで次の日も決まった時間にきっちり集中することが可能になります。
経営者や色々な生産性マスターの方の話を思い出してみると睡眠の1時間前には、
- スマホを手の届かないところに置く
- 瞑想をする
- 1日を振り返って日記をつける
- 本を読む場合はKindleか紙で
こういったことを行っていました。
よく言われていることですが、ベッド上で仕事をしたり、Youtubeを見たりすると睡眠の質が下がると言われています。
これを考慮すると基本的に読書も避けた方がいいですが、1時間も何もしないのは自分自身もまだちょっときついものがある…
睡眠を記録する
質の高い睡眠は次に日の生産性と集中力を高めます。質の高い睡眠のためには睡眠を記録することが不可欠です。
参考記事の執筆者はFitbitを利用しているようですが、Apple Watchやその他睡眠トラッカー機器を持っている方はそちらを利用すると良いでしょう。
個人的にはSleep Cycleというアプリを使って睡眠を記録しています。
睡眠を記録しているだけで早く寝ようと思うようになるので質を高めるためにはかなり良い方法だと思います。

朝のルーティーンを確立する
早起きを始めてから最初の3~4週間は、おそらく最もつらい時期だと思います。ベッドの中は暖かくて快適なので、脳のシステム1はベッドに留まるよう命令します。
そこでメル・ロビンズによる「5秒ルール」の出番です。
彼女のルールは目覚ましが鳴ったら、「5-4-3-2-1-Go」と自分でカウントダウンして即起きるというごくシンプルなもの。
習慣を生み出すには「きっかけ」「欲求」「反応」「報酬」が必要ですが、カウントダウンをきっかけとして朝を有効に活用したいという欲求が生まれ、Goで起床し、コーヒー付きの一日の始まりを迎えられます。
かの五賢帝の一人、マルクス・アウレリウス・アントニヌスでさえもベッドから出れないことで悩んでいたレベル※1 なのでそう簡単にできることではないのは確かですが、これを3~4週間繰り返すことで、考える必要のない反応するだけのルーティーンとして確立されるはずです。
記事の執筆者による朝のルーティーンは
- ベッドから起き上がる
- 腕立て伏せを50回する
- シャワーを浴びる
これを2時間かけて行うようです。(長くね?)
※1 自省録で「私たちは心地良い思いをするために生まれたのではない!」と自戒を込めている。以下その箇所の引用。
明けがたに起きにくいときには、つぎの思いを念頭に用意しておくがよい。
マルクス・アウレーリウス 自省録 (岩波文庫)
「人間のつとめを果すために私は起きるのだ。」
自分がそのために生まれ、そのためにこの世にきた役目をしに行くのを、まだぶつぶついっているのか。それとも自分という人間は夜具の中にもぐりこんで身を温めているために創られたのか。
「だってこのほうが心地よいもの。」
では君は心地よい思いをするために生まれたのか、いったい全体君は物事を受身に経験するために生まれたのか、それとも行動するために生まれたのか。
小さな草木や小鳥や蟻(あり)や蜘蛛(くも)や蜜蜂までがおのがつとめにいそしみ、それぞれの自己の文を果して宇宙の秩序を形作っているのを見ないのか。
2. 毎週日曜日に目標とTo Doリストを振り返る
記事の執筆者はGetting Things Done(GTD)とAgile Resultsをベースにタスクを管理しているようです。
目標を振り返る
長期的な結果にこだわってはいるけれども、そこに到達する方法にはあまりこだわらずAgile(柔軟)にタスクを管理しているとのこと。
毎日日曜日には年間目標を達成するためにどのカテゴリーにもっと時間をかけたいかを確認し、もし、年間目標に遅れが出ているのであれば、その週はそのタスクに集中するように変更します。
参考記事執筆者の具体的なやり方
- 人生の目標を設定して、年間目標と月間目標に分解する
毎年1月に執筆者は今年の目標を立て、それが人生の目標と一致していることを確認し、その大きな目標に到達するために、どんな小さな目標を立てればよいかを考える時間を作るとのこと。 - 毎週の目標は、人生の目標と一致していることを確認する
例えば、あらゆる分野に精通した教養人になるという目標を立てた場合、年に25冊の本を読むという目標を立てるかもしれません。
その場合執筆者によるとどんな本を読むかは言わず、テーマを絞ることもしないようです。
ある本を読み切るのに時間がかかることもあるので、目標達成のためには翌月はもっと時間を割く必要があるかもしれません。このように、長期的な目標が達成されるように、毎週日曜日にバランスを取るようにしているとのこと。 - 「やらないことを決める」ことに上手くなる
中国語を勉強して、ブログも書いて、個人開発のアプリも作って…だとまず時間もエネルギーも足りません。
いくつもやりたいこと、達成したいことがある中でこれと決めたものを毎年1つ2つに絞って集中的に取り組んでいきます。
あとは全部切り捨てる。(やりたいことなどは忘れないようにGTDのタスクリストにSomedayのラベルをつけておく)※詳しくは以下記事「整理する」の章を参照。

GTDのタスクを整理する
毎週日曜日に過去数週間のGTDのタスクリストを更新し、集中的に取り組みたい新しいタスクを追加します。
この膨大になっているGTDのタスクリストを管理して更新するのは1週間で片付けるには多すぎるため、「アイゼンハワー・マトリクス」を使ってタスクを整理し、どのタスクが重要で、優先順位を下げる必要があるかを見極めます。

また、執筆者はGTDのタスクはすべて、1時間と2時間のブロックに分類しているとのこと。
もっと時間がかかりそうなタスクは、この枠に収まるような小さなタスクに分割することで何かを始めても、終わらせることができないことを避けるようにしているそうです。
さらに象限ごとに優先順位を1から6で振り分け、以下のようにタスクの優先順位を可視化しています。
- 今日中にやらなければならない: やる
- 今日やるべき: やる
- 今週中にやらなければならない: 予定する
- 今週中に片付けるべき: 予定する
- 時間が許せばやる: 予定する
- いつかやる、または誰かに任せる: 任せる
タスクを時間のブロックで分類することと、優先順位ごとに明確にタスクの期限を定義しているのはかなり良さそう。
3. 時間ではなく、結果で評価する
パレートの法則※2に従い、確実に仕事を終わらせるように。 20%でも満足な結果が得られなければ、満足するまでやり続けます。
※2 結果の80%は20%の原因から生み出されているというもの。
代表的な例は売上の80%は20%の顧客から生み出されている。
また、SNSやメールなど様々な通知が飛んできますが、これらは目標達成においての重要な資源である「エネルギー」「時間」、「集中力」全てを奪っていくので時間を決めてスマホの使用を封印するとよいと。
記事では結果を出すために『ディープ・ワーク』を行うことが重要であると述べています。カル・ニューポートの著書『ディープ・ワーク』での定義は、
のことで、「新しい価値を生み出し、自分のスキルを向上させ、再現するのが難しい」とあります。
また、『ディープ・ワーク』で重要な点として以下7つのポイントを紹介しています。
- 質の高い仕事 =(費やした時間)×(集中の強さ)
- 本当に重要な目標に集中する:本当に重要な目標を少数だけ持つ
- 浅い仕事と深い仕事、両方の時間をスケジュールし、必要に応じて調整する。
- 浅い仕事をできるだけ減らし、深い仕事のための時間を確保する。
- 偉大なことをやり遂げるために、生産的な習慣を取り入れる。
- ディープワークは、難しいことを素早く学ぶのに役立つ。
- ディープワークは大きなブロックの時間を必要とし、いくつかの小さなブロックに分割することはできない。
4. エネルギーを管理する
生産性を高めるには、実際に物事を成し遂げるために費やす時間よりも、エネルギーの方が重要です。カル・ニューポートは生産性を以下の式で表しています。
生産性 =エネルギー×時間
この式を見ると、エネルギーと時間の価値が同じだと思われるかもしれませんが、脳の活動に関しては、参考記事の執筆者は別の考えを持っているようです。
わかりやすくいうと自分が持つ「エネルギー」※3と「集中力」を「時間」というアイテムでブーストをかけるような感じですかね。
※3 ここでいう「エネルギー」はやる気や体調などのコンディションを合わせたものだと解釈しています。
休憩を予定に入れる
仕事のスケジュールをブロック単位で組むことについて前述していますが、執筆者は通常、タスクに応じて1日を通して1〜2時間のブロックを使っています。
深く考えなければならない仕事には大きなブロックを、簡単な仕事には小さなブロックを使います。 どのブロックにも休憩が組み込まれていて、大体最後の5分か10分です。
デスクから離れて体を動かし、日光を浴びることも大切です。 外に出て新鮮な空気を吸えば、さらに効果的になります。
自宅で仕事をしている方は郵便物をチェックしたり、ゴミを出したり、ちょっとした雑用をしたりするのが良い休憩になるとのこと。 大切なのは、椅子から立ち上がり、動くことであると。
マーク・フォスターによる『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則』では、「期限の効果」を利用して、時間を制限して短時間働く方が集中力が出るという話と同様に、休憩も時間を限った方が、際限なく休むよりリラックスできると書かれています。
5分と決めて休憩することで集中力を解放し、再び集中に入りやすくなるとのことでした。
糖分、カフェインなどを避ける
人の身体は車と同じようにより良い燃料を使うことで本来の性能を発揮することができます。
炭水化物、砂糖、カフェインなど、インスリンを素早く分泌させる食品ばかりを摂取していると集中力はダダ下がりに。
こういった食品は、一日の後半のエネルギーを借りてきて、摂取したタイミングに回すので、朝からカフェインを摂取していると、午後になると身体のコンディションが悪くなります。
良質な炭水化物や脂質、自然食品を食べると、体はエネルギーを安定的に放出し、一日中集中力を維持すること可能に。
バナナやさつまいも、アボカドや卵がおすすめです。
記事ではケトジェニックもおすすめしていますが、人付き合いがあったりするとかなり難しいので興味があったら挑戦してみるぐらいでいいでしょう。
運動する
今は健康ブームなので生産性を気にしている人は運動にも気をつかっていることでしょう。
AppleでもCEOのティム・クック氏が「一日中座っていることは現代の新しいガン」と述べているように全社員がスタンディングデスクを使えるようにしています。
参考記事ではデスクの横に小さな踏み台を置き、会社の会議中などに踏み台に乗って10〜15分ほど体を動かしているとのこと。 血液を循環させ、酸素を含んだ新鮮な血液を供給することで、エネルギーを補給するのに最適な方法であると語っています。
5. すぐに行動してやる気を引き起こす
先延ばしにすることなく、Getting Things Doneを実現するために最も重要なことは、実際に仕事をすること。
多くの人がそうであるように、最も困難なのは「始めること」です。
5秒ルールの活用
前述したメル・ロビンズの5秒ルールです。
習慣の4ステップである「きっかけ」「欲求」「反応」「報酬」の「きっかけ」を呼び起こす方法で、1-2-3-4-5と5カウント後に始めたいタスクに取り掛かるシンプルな方法。
ダッシュ法の活用
こちらも先ほど紹介したマーク・フォスター『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則』によるダッシュ法。
ダッシュ法は「全力でダッシュするように決めた時間決めたタスクに取り組む」というこれまたシンプルな方法ですが、実際に紹介されている方法は「タイマーをセットして、5分間新しいアイデアについて書き続ける」というものです。
この方法の威力はたった5分間であれば、やりたくない課題に手をつける抵抗感の克服とたった5分でも期限を設け、集中力を高めることで案外多くのことをこなせることに気づけるということ。
マーク・フォスターは仕事をしていて一番やる気が出るのは「仕事が予定通り進んでいると実感している時」とも言っているので5秒ルールとダッシュ法を活用し、すぐに手をつけることで仕事を少しでも進めていきましょう。
6.. 習慣を形成する
習慣の最大の魅力は一度決めたことを、余計なことを考えずに定期的に行えるようになること。
習慣の4ステップである「きっかけ」「欲求」「反応」「報酬」をうまくハックすることが重要ですが、習慣システムのIF-THENルールがこれに役立ちます。
IF-THENルールはトリガーとなる習慣Aの次にとる行動として、習慣化したい習慣Bをセットし、ルール化する方法のことで、個人的にNotionのDBでこれをリスト化して運用しています。
よかったら下記記事を参考にしてください。

7. 不測の事態を考慮する
ケガや病気、災害など緊急時に備えて少額の資金を確保しておく緊急資金と呼ばれる、個人の財務ルールが有名ですが、時間管理についても同じことが言えるとのこと。
毎日2〜3時間、緊急事態のために時間を確保することで、予期せぬ問題が発生した場合にその日のうちに予定されている仕事を先送りにしてその問題を処理します。
緊急事態が発生しない場合には、時間があればやりたいと思っていた仕事を追加で引き受けるように。1番はその日にやらなければならない重要な仕事、2番は緊急でないときにやる仕事という形で番号を振ります。 もし緊急の用事があれば、2の用事は翌日に回すか、週の後半に予定を入れる。
ここらへんの優先順位は前述のマトリクスを参考にすると良いかなと。
日常の中での不測の事態は確実に起こりますが、1日にフレックスタイムを設けることで生活上の問題に対処しつつ、その週の目標をすべて達成可能にすることがこの緊急時間を確保すべき理由でしょう。
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